2008年05月27日

涼宮ハルヒの誘惑 その1

1 名前: KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:02:58.98 ID:ICLcajwP0



放課後になるといつもの習慣というか帰巣本能というか足が自然と向かう場所がある。


言わずもがなのSOS団の部室だ。正確には文芸部の部室なのだが、この学校で文芸部の存在を覚えている奴なんているのかね?

今日はハルヒが担任の岡部から進路指導とやらで呼び出されているので一人で部室に向かう。

部室のドアの前に立ち、これも習慣となったノックをして、返事があってから部室のドアを開けるのだが今日はなぜか返事がない。

長門の三点リーダの返事でも長門検定一級を自負する俺になら分かるのだがそれすらない。

つまり現時点でこのドアの向こう側には誰もいないのだ。

珍しいこともあるもんだと思いながらドアを開け、いつもの自分の席に着く。

が、

目の前に古泉がいないのでボードゲームもカードゲームも相手がいないのでやることができない。

まさか古泉の真似をして一人で詰め碁というわけにもいくまい。

やってできないことはないだろうが古泉の趣味に自分から擦り寄るのはなんとなく腹ただしい。

うん、俺って普通の人間が経験できないような事を経験してきた割に器が小さいな。

自分で認識してちょっとへこむ。

仕方がない。ハルヒもいないことだし久々にネットサーフィンでもしてみますかね。



 



2 名前: KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:04:23.54 ID:ICLcajwP0



PCを起動させ立ち上がるのを待つ。ブラウザを立ち上げると我らが団長殿が描かれたSOS団のロゴがこれ見よがしに画面に現れる。


ま、実際は長門に描きなおしてもらっているんだがな。

しばらくカチカチと文字通り電脳世界を彷徨っていたのだが、一般的というか、必然というか、健全な肉体を持つ高校生なら当然といっても過言でない、とい うかその通りなのだが、アダルトサイトに行き着く。


グラマラスなボディやスリムな裸体を眺めていると、ついつい普段接している女性陣の顔とその服の下を想像してしまう。

特にハルヒには押し倒されたりヘッドロックをかけられたりしているのでそのときに不可抗力で体に押し付けられるふくらみは体感済みだ。

バニーガールでどこが出てへこんでいるかは目でも確認済みだしな。

どかぁん!

文字通り爆発させるような音を立てて部室のドアが開いた。

誰が入ってきたかは言うまでもあるまい。ハルヒだ。

我ながら神速でブラウザを閉じる。うむ、すごいぞ俺。

「あー!もぅ!岡部のヤツ!腹立つ!ちょっとキョン!なに勝手にあたしの席に座ってるのよ!!!」

いかんいかん、岡部への怒りがこっちにまで波紋を広げそうだ。おとなしく席を立つ。

とりあえず、ハルヒの様子からエロサイトを閲覧していた事はばれてないようだ。

「いい?!SOS団の団長はわたしなの!そして団長の席はわたしの席なの!勝手に座ることは許さないわ!」

3 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:04:53.31 ID:ICLcajwP0



両手をあげて降参のポーズ。まるで古泉の仕草のようだ、しかしここは従順に降参の意を示しておいたほうがいいことは経験則から確実である。

「あんた、何してたの?」
「いや、特に何も。電脳世界を彷徨っていただけだ」
「ふぅん、ま、いいわ。お茶」
「朝比奈さんが来るまで待て」
あのお方の煎れてくれたお茶のほうが俺の100倍はうまいことは地球上の誰もが認めるで…はい、煎れます。
ハルヒの一瞥に負けた。
「ほらよ」
「んぐっんぐっ」
もう、飲んじまいやがった。かなり熱いと思ったのだがハルヒの口内と喉は耐熱加工でもしてあるのかね。
かちゃりとドアが開いて天上の福音が聞こえた。「あの、遅れてすみません」
SOS団の天使、あなたの愛らしさは地球を救います。
とたとたといった仕草で朝比奈さんが小走りに部室に入ってきた。
「あ、キョンくんがお茶煎れてくれたんですか?ごめんなさい、ありがとう」
いえいえ、朝比奈さんのためならお茶の一服や二服。



4 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:05:29.21 ID:ICLcajwP0



「あの…」もじもじ

なんでしょう?
「着替えますから…」
回れ右。
っとドアを開けたところで長門と出くわした。
「よう、珍しく遅かったな」
…掃除当番」
なるほどね。やはりたまには掃除当番になるんだな。長門と入れ替わりに廊下に出る。
ドアにもたれて待っていると廊下の向こうから見慣れたニヤケ面が片手をひょいと挙げて近づいてきた。
「朝比奈さんの着替え待ちですか?」
ああ、お前も今日は遅かったな。
「HRが長引きましてね。この前行われた全国模試の結果、僕のクラスの平均点が担任の癇に触れたようで全員でお説教でした。」

テストの点なんぞ、個人の問題のような気がするがな。
「僕もその意見には賛成ですよ。」



5 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:5:54.90 ID:ICLcajwP0



などと古泉としばらくなんでもない話をして待っていた



いくらなんでも着替えが長すぎないか?そろそろ不審に思い始めた時、廊下に電子音が響きわたる。
ピピピ…ピピピ…!

古泉の携帯だ。嫌な予感が暗雲のごとく湧き上がる。
ディスプレイを見た古泉の表情からニヤケ顔がさっと消える。暗雲から雷が走っているのが見えたぞ。
「なんの連絡かお聞きになりたいですか?」すぐにニヤケ顔に戻ったものの幾分ひきつっている、古泉もその引きつりを隠そうとしてないようだ。

「なんとなくわかるが、言ってみろ、いや、言わなくていい、閉鎖空間だな」
「ご明察、この扉の向こうで何が行われているか早急に確認する必要があります」
俺はもたれていたドアからゆっくりと背中をはがし振り返る。ドアの隙間から黒い蒸気が噴出しているのが見える、気がする。

さながら地獄の扉といったとこだろうか。いや、妙な描写はいい。とにかくこのドアの向こうで何が起こっているか確かめねば。

ドアをノックしてみる。
「あのー、朝比奈さん着替え終わりましたか?」
ドアの向こうから



6 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21(水) 16:06:27.05 ID:ICLcajwP0



「えっ、いや、まだ…ですけど、あのっちょっと」「入っていいわよ」

朝比奈さんのわたわたした言葉にハルヒの不機嫌120%な声がかぶる。

古泉をちらりと見ると目礼してお先にどうぞのジェスチャー。
このやろう、俺は爆弾処理班じゃねぇぞ。心の中で毒づきながら地獄への扉を開ける。
はてな?どういった状況だ、これは。
ハルヒがPCの画面を見ながらなにやら怒ったような苦笑いのような複雑な表情を浮かべている。
朝比奈さんがその後ろに立って画面をみているが、顔を真っ赤にして両手を頬に当てている。
長門も珍しく本を読んでおらず朝比奈さんの隣に立って画面を見ている。
相変わらずの無表情だが…なんとなく興味深げに見ているような気がするが。

はて?長門の興味を引くような情報がネット上にあるとは思えんのだが。
「ほぉ・・・」
閲覧が終わったらしくハルヒがこちらを向くと同時に朝比奈さんがため息というか吐息というか熱っぽい息を吐いた。
両手はまだほほに当てたまま俺にちらちら視線を飛ばす。
長門は等速度運動で移動し、いつもの椅子に座って本を広げた。が、そのまま俺に顔を向けた。なんで?



7 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:06:09.78 ID:ICLcajwP0



「ねぇキョン」
なんですか、この女性3人に尋問されるような空気は。
「あんたブラウザに履歴って残るの知ってる?」
ぐぉ!しまった!とたんに顔面蒼白になるが自分の恥部を知られた思いにすぐ赤くなる。
なんちゅうこっちゃ、異性に自分の性癖の一端を知られるのは体がきりもみするくらい恥ずかしい。
俺の態度と表情、それに女性陣の反応を見てどうやら古泉は状況を悟ったらしい。
なんだその同情と哀れみと自愛に満ちた様なにやけスマイルは。お前も男だろうが。
しかし見ていたサイトが悪かった。いわゆるコスプレサイトとでも言うのだろうか。
女性が制服やら衣装やらをわざわざ着てから、服をはだいたりあられもない姿をとるというサイトだ。
内容はエアーコンダクターからナース、OL、女教師、バドガール、レースクィーン、等々、等々。
悪いことにその中には部室のハンガーにかかっている衣装と被っているものがあった。
具体例を挙げるならバニーガール、メイド、ナース、はもう言ったか。いやそんなことより。
とにかくこれでは俺が今まで朝比奈さんを劣情の目で見てきたようではないか。誓って言うが朝比奈さんで変な気になったことは…あったかな。
「あんたもこういうの見るんだ。というか趣味なんだ。」



8 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:07:19.77 ID:ICLcajwP0



ぬおぉ!ハルヒの一言一言がきつい!どうやって切り抜けようか!こういうとき嘘をつくとドツボにはまる、しかし開き直るのも厚顔無恥だ。

「いや、それはあれだ。そのまぁ」
「まぁ何?」ハルヒが笑顔で怒っている。おまえはデビュー当初の竹中直人か。
「キョン君って、あの、ああいうのが好きなんですか?」朝比奈さんが頬を赤らめながら目線をハンガーから俺に移す。ひぇえ!誤解しないで下さい!

………」長門が目をそらした。照れてるのか?アンドロイドに羞恥心ってあるのか?それとも軽蔑されたのか?マジか?!

「彼も高校生ですし、異性に興味を持つのは成長過程で至極当然な生理現象ですよ。ご両親もご子息の健全な成長を喜ばしく思っている事でしょう。」

古泉がなんだかよくわからんフォローをしてくれるが同い年に言われると腹立つぞ。
「もちろん、僕も興味はありますよ」スマイルゼロ円。
そういう同じ側に立つフォローをしてくれ。
古泉が味方に立ってくれたおかげでハルヒは口をむにむにさせていたが。
「あんたの性癖に口を出すつもりはないけど、みくるちゃんと有希に変な気を起こしたらダメだからね!」
いや、起こしたことはない、起こすつもりもない。たまたまネットを徘徊してたら行き着いたんだ。
というか、その言い方だとお前になら変な気とやらを起こしても良いのか?
「んなっ!」うわっ一瞬で顔が赤くなった。怒りながら笑ったり赤くなったり器用なヤツだな。



9 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:07:48.79 ID:ICLcajwP0



そういえば鶴屋さんがハルにゃんにならおいたしてもいいとか何とか言ってたのを思いだす。なぜここで思いだす?

「と、とにかく風紀の乱れは絶対に許さないって事よ!分かったわね!」
鼻先にびしっ!っと指を突きつけられて、コクコクとうなずいた。
他にどうしようもなかろう?



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全員で校門をくぐり下りのハイキングコースをスタートする。
いつものように、ハルヒと朝比奈さんが先頭、次に長門、最後に俺と古泉が歩く。
結局あれから朝比奈さんはメイド服に着替えなかった。というかハルヒが着替えさせなかった。
そんなことしたら余計に意識してるみたいじゃないか。だれが意識してるかは俺もよく分からん。
「しかし、今日は失態でしたね」
ぐぬぬ、言われるまでもねぇよ。
「もし、どうしても我慢できないようであれば僕に相談してください」古泉が耳元に口を寄せてささやく。
一瞬で血の気が引いて距離をとる。古泉はのどの奥でおかしな笑い声を上げて。
「お相手するのは僕ではありませんよ。機関のつてでその分野のプロフェッショナルを派遣させます」



名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:08:18.57 ID:ICLcajwP0



森さんの顔を思い浮かべてしまった。そんな俺の顔を見てまたおかしな笑い声を上げやがる。

「残念ながら森さんはそのような役どころではありません」
とにかくごめんこうむる。お前にはおろか機関にまで余計なしかも恥の極地のような借りを作りたくない。
古泉はそのままくすりと笑うと黙って前を向いて歩き始めた。
いつものとおりハイテンションのハルヒの話にくすくす笑いながら朝比奈さんがその隣りを歩いている。
そしてそれを見つめているのかいないのか無口な長門が続いている。
そのとき、誰もが予想していないことが起こった。大したことではないのだが、いや、個人的には大したことなのだが。
ハルヒは願望実現の力があると色々な人間が言っているのだが、これもあいつが望んだからなのか。
風が吹いたのである。吹き上げたのだ。
俺の前を歩いていた三人の娘さんが腰の周りにまいた布をふわりと持ち上げるくらいに絶妙なタイミングと角度で。
つまりハルヒ、朝比奈さん、長門。この三人のスカートがめくれたのだ。
ハルヒは、スポーティな紺色一色。動きやすそうだな。
朝比奈さんは、純白でふちにレースがあつらえてある。意外に大人っぽいな。
長門は、水色地に青の横ストライプ。中学生のチョイスだな。



12 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:08:36.43 ID:ICLcajwP0



どれも歩いているときなので少しよじれてヒップの割れ目とラインが微妙に出ていたのがすごく「こらぁ!エロキョン!」

うわーものすごい怒声。なんか近づいてきてる気がする。
朝比奈さんは前と後ろを押さえて顔真っ赤。時すでに遅しの行動だがかわいいのでそのままでいてください。
長門はスカートを押さえもしないで直立不動。そりゃ風は一瞬で止んだけどさ。ちょっと恥ずかしがる方が愛嬌があっていいぞ。

?なんだこの目の前に現れたこぶしは?


一瞬意識が飛んだ。とっさに古泉が支えてくれなければ後頭部を打撲していたに違いない。
「きょ!今日は、かわいくないやつだから見ちゃダメぇ!」
ぐおおおぉおお、頭がくらくらする星が飛んでる地面が揺れるひざが笑う。
「なに?かわいいやつだったら見てよかったのか?」
「えっ…まぁキョンだったら…」

朝比奈さんが息を呑むのが聞こえた。
ぐぐぐああああああああ、まだくらくらする。ハルヒのヤツ何て言った?
「え?聞いてなかったんですか?」



13 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:09:10.40 ID:ICLcajwP0



古泉が呆れ顔で聞いてくる。いや、なんか会話したきがするが頭がくらくらして覚えてない。うーいてー。

すでに三人娘は坂を下っている。
くそ、お前も見たはずなのになんで俺だけ殴られるんだ?見ただろ?
「ええ、眼福でした」
このやろう、お前は帰りに犬のくそでも踏め。
「遠慮しておきます」
しかしハルヒは何て言ったんだ?
「近々わかると思いますよ」
なに?また何か悪巧みでも思いついたのか?死刑になりたくないぞ。
「死刑にはならないと思いますがあなたにとって試練になることは間違いなさそうです」
やけに楽しそうなのと少し憂いを含んだ表情を浮かべながら古泉がハンサム顔で空を見上げる。
「僕から超能力が消えるのも遠くないのかもしれません。宜しくお願いしますね」
なんのこっちゃ、お前にお願いされてもあまり嬉しくないな。お前の為の俺の頑張りなんぞあまり期待するなよ。
くすりと古泉は笑うとそれ以上何も言わなかった。まったく、何か含んだ笑いだな。



14 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:09:35.42 ID:ICLcajwP0



いつもの分かれ道でいつもの様にそれぞれ別れる。

おーいてて、ハルヒのヤツ思いっきり殴りやがって、くそっ。一人になった途端痛みが増してきた。
目の下を押さえながら歩いていると角を回った途端に現れた人物にぶつかりそうになる。
「え?な、長門?マンションに帰ったんじゃないのか?」
「私の座標位置をずらした」
なに?座標位置とな?もしかしてそれはテレポートというヤツか?お前もう何でもありだな。出来ない事を教えてくれ。
黙って長門は手鏡を俺に手渡した。なんだこれ?
「手鏡」
そりゃ見りゃ分かる。俺に渡した意図を聞きたい。これ長門の私物なのか。意外と古風な趣味をしているな。ちゃんと彫刻で掘ってあるもようが椿の花のがらで

「自分の顔を見て」 はい。
覗き込んで驚く「うぉ、腫れたなぁ」
「あなたが明日もその顔だと、涼宮ハルヒが罪悪感を抱きかねない。治療する。」
そういうと長門は少しひんやりした小さな手で俺の顔を挟み込んで自分の方に引き寄せた。
え?ちょっと長門さん?



15 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:09:55.55 ID:ICLcajwP0



目の下の腫れた所に長門が唇をあてる。うわぁ、柔らかいなぁ。やっぱり長門も息をしてるんだ。顔に超至近距離でかかる吐息がくすぐったい。わーいい匂い。

やばいなんかハルヒの言っていた変な気になりそうだ。
腫れている箇所にそって長門が唇を優しくずらしていく。
動いてゆく唇の質感とさらさらとなでてゆく髪の感覚が挟んだ手はやわらかく息がうわぁうわぁ!なんか色々やばいっすお母さーん!

実際には3秒も無かったのだろうが脳がスパーク寸前の俺にはかなり長く感じた。
「おわり」
そっけなく離れる。
「す、すまないないつも手間をかけさせて」心臓は爆発寸前だ。呼吸も少しならず荒くなっちまったぜ。
「いい」
すっと俺の手元を指差す。
「返して」
あ、あぁすまない。長門に手鏡を返す。
受け取るとそのまま幽霊のように歩き出した長門の背中に慌てて声をかける。
「あ、ありがとうな、長門」



16 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:10:26.82 ID:ICLcajwP0



くるっと長門が振り向いた。
何か言いたそうだな。というか表情を我慢しているのか?あれ?以前にもたしか…この表情の変化は…もしかして。冗談をおっしゃいますか?
「噛んだ方が良かった?」
今ので良いです。


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ぐあー!誰か時間を戻してくれ!
朝比奈さんに頼んで時間遡行をしようか、長門に頼んで関係者全員の記憶を改竄してもらおうか。
しかし頼むときのことをシミュレートしてみるとこれまたアクロバティックに体がよじれる。
「俺が見ていたエッチなサイトの…」ぬおおぉ!羞恥で悶え死ぬ。
よりによってコスプレサイトを閲覧するとは我ながら迂闊すぎる。
恥辱にまみれて死んでしまいそうだ。そうだいっそのこと誰か殺してくんねぇかなぁ。
朝倉の顔が頭の中にフラッシュバック。
生きよっと。
自室のベットの上で部屋着に着替えた後、後悔と恥ずかしさにもんどりうって悶えていると妹がやってきた。



17 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:10:51.68 ID:ICLcajwP0



「キョンくんごはんだよー!何してるのどたんどたん響くよ〜」




飯食って一息ついて落ち着いた。我ながら単純だ。さて、気になる事があるぞ。
俺が廊下で待っている時にハルヒはコスプレサイトを見て閉鎖空間を発生させた。
なぜだ?
古泉が言うには閉鎖空間はハルヒがストレスを発散させる為に生み出しているらしい。
つまりハルヒはコスプレサイトを見てストレスを感じたという事だ。
自分では朝比奈さんを着せ替え人形みたいにしてコスプレさせているのにだ。
じゃあ、コスプレに性的な要因が絡んでくると不機嫌になるのか。
いや、それもないな、以前朝比奈さんにきわどいポーズをとらせてその写真をSOS団のHPのトップに載せようとしていたくらいだからな。
うーん、どうにもピンと来ないな。
その時、携帯が鳴った。ディスプレイには古泉と出ている。
「どうした。神人狩りは終わったのか」



18 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:11:10.22 ID:ICLcajwP0



『実はその神人であなたの耳に入れておいた方が良いと思う事がありましてね』

「聞きたくないな」
『まぁそうおっしゃらずに。以前あなたを閉鎖空間にお連れした時に現れた神人は覚えておいでですか?』
「忘れたい記憶だ」
『あの神人にむりやり性別をつけるとしたら男性か女性、どちらです?』
「性別も何ものっぺらぼうのつるぺったんだったろうが」
『ええ、ですからどちらです?』にやにや顔が目に浮かぶようだ。
「とりあえず胸が無かったから、無理矢理判断するなら男だろう」
『今日の神人には胸がありました。それに髪もね』
「どういうことだ?」
『相変わらずののっぺらぼうではあったんですが、明らかに胸のふくらみや体のライン等は女性の特徴を持ってましたよ』

「それで、俺にどうしろというんだ?」
『いいえ、どうも。ただあなたの耳に入れておいた方が後々お役に立つのではないかと思いましてね。僕の独断です』
………」



19 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:11:37.76 ID:ICLcajwP0



『さて、それでは失礼しますね。そうそう髪ですがポニーテールでしたよ』

言いたい事だけ言って切りやがった。何なんだいったい。神人が女になったところで俺にさほど影響があるとは思えん。
古泉は俺に何を期待しているんだ?俺が神人について考えたところでろくな知恵なんぞ浮かばん。自分で断言してやる。
大体においてハルヒの精神分析は古泉の専売特許だろうが。あいつが嫌になって俺にその役どころを丸投げしようとしているのか?

んなわけない。あの解説好きが自らの役所を手放すとは思えん。
どうにも腑に落ちない古泉の話だったがなんだか考えるのも面倒くさくなってきた。
散々恥ずかしがって悶えたので疲れた。寝る。うーん、いい性格してるぜ俺。
古泉、お前が俺に何を期待しているかはさっぱりだが今日は絶対にこたえる事はなさそうだ。
別に早急に対応しなければいけないことでもないだろう?


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「きゃー!!!!!!」
なんだ?!女の悲鳴で飛び起きる!
とたんに正面にいる悲鳴を上げたであろう人物が目に入る。ハルヒ?!
目の前にいるハルヒは慌ててシーツを使い体に巻き付けている。



20 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:11:57.01 ID:ICLcajwP0



巻き付けたシーツを内側からぎゅっと握り、顔だけ出している。なんちゅう格好だ。おでんの巾着みたいだぞ。

「ちょっと!隠しなさいよ!!」ハルヒが真っ赤になって視線をそらす。
自分を見下ろして驚いた。パンツだけしか身に着けていない。うわわ!
しかし隠せといわれてもシーツはハルヒが包まってるし他に着るものは…。

…ここはどこだ?
閉鎖空間…なのか?いや、部屋だ。丸い部屋だ。しかも天井はドーム状になっている。言ってみれば閉鎖空間型の部屋だ。

大きさは閉鎖空間ほどではない。学校の教室4つ分くらいの広さだろうか。部屋にしてみたら大きい部類だな。
壁も床も天井もうすいピンク色の毛足が長い絨毯が敷き詰められ覆われている。明かりは天井全体が光っているようで目に付く光源はない。

そして何より他には何も無い。ドアも窓も換気口すらもない。出ることも入ることもできなさそうな部屋だ。
シーツが一枚あるだけでそれはハルヒが今使っている。
室温は暖かいのでパンツだけでも体が冷える事は無いのだが、いかんせん身の置き所が無い。
周囲の状況を確認して座り込む。お、この絨毯肌触りが良いな、うん、すごくいい。そのままごろんと上を向いて寝転ぶ。

うん、気持ちいいぞ。我ながら妙に落ち着いていることに呆れてしまう。
さて、どうしようか。するするとハルヒが目線をあさっての方向に向けながらシーツを引きずってきた。



21 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:12:19.51 ID:ICLcajwP0



「ねぇ、ここどこなの?」わからん、俺が聞きたい。

「あたし前にもこんなことあったの。というか夢を見たことがあるのよ。」
「その時はあんたと二人で夜の学校に閉じ込められて青い巨人が出てきてすごくわくわくしたわ」
「でもキョンったら元に戻ろうとか言って…」言いよどんだ。
うむ、それ以上言及しないでくれ。
ハルヒは俺の頭の横に背中を向けて座り込む。
そのときシーツがふわりと持ち上がって中が見えた。予想はしてたがハルヒも下着だけだった。
ピンク地の花柄がちりばめてありふちにはその花柄の花びらをかたどったレースが編み込まれてある。部屋の色とよくマッチしているな。

そしてそのままシーツは俺も一緒に覆う。
つまりシーツの中に入ってしまった。のだがハルヒは俺の状態に気がついていないようだ。
「おいハルヒ」
「何よ」まだ気づいていないらしい。
「見えてるぞ」
後ろを向いたのだろう。程よくくびれたウエストと健康的な背中がよじれるのが見える。とたんに跳ね上がるように離れた。



22 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:12:39.10 ID:ICLcajwP0



「な、な、な、な!」真っ赤になって絶句して俺を踏み潰そうと足を上げた。

きれいに伸びた脚がシーツを割って持ち上がる。慌てて避けようとした時、割れたシーツの奥が見えて目どころか意識も一緒に奪われる。

避ける動作がピタリと止まってしまった。
ハルヒが俺の視線に気がついてさっと体を隠す。俺は下着姿を下から見上げたことで恥ずかしくなってようやく視線をそらす。

「はぁ…」
ハルヒが立ったままため息をついた。
「あんたそんな格好で寒くないの?」おかげさまで寒くは無いな。
「寒いって言いなさいよ」なに?
「寒くないの?」



…さむい」
「ほ、ほらっ仕方ないわね!」ハルヒがバッとシーツを広げた。一瞬、女神という言葉が浮かんだ。
恥ずかしげに膝をこすり合わせて怒ったような顔で目を閉じ横を向いて両腕を広げている。



24 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 16:13:00.76 ID:ICLcajwP0



女性らしい女性しか持ち得ない体の曲線を正面から見せられて俺がたじろいだ。

「いや、ハルヒ…あのだな…」

「寒いんでしょ」頬どころか肌が少し上気してないか?
「は、恥ずかしいんだから早く!」言われて飛び起きる。
向き合ったはいいのだがどうにも近寄りがたい。その…きれい過ぎて。

「もぅ!」キッと俺を見据えるとたたっと走りこんで優しく体当たりしてきた。反射的にハルヒの体を抱き止める。
ハルヒが両腕で俺を抱きしめるようにシーツで包み込む。
結果としてお互い抱きしめ合う様な格好になるわけで…しかもお互いほぼ裸体。

肌と肌が触れ合う面積がこれまでと段違いだ。ハルヒの香りが一瞬遅れてふわりと鼻腔に届いた。なんか落ち着く。
しばらく、と言ってもどれくらいだろう。俺はハルヒを感じていた。
黒い髪の毛と頬に触れるそのつややかさ。
ふれあっている箇所の温度と肌のきめの細やかさ。
それにふくらみが俺のあばら辺りを押している。
「ねぇ…キョン…」小さな声で俺を呼ぶ。



47 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 19:23:57.60 ID:ICLcajwP0



少し体を離して俺を見上げる瞳は潤んでいて頬は桜色に染まっている。

なんて綺麗な瞳で俺を見つめるんだ

『ハルにゃんならおいたしてもいいにょろよ』
うおぉ!俺はなんつータイミングで思いだすんだ!
恥ずかしい事にどうしたら良いか分からん。呼ばれて返事をする語彙すら消滅している。
下着姿の同級生に抱きつかれて潤んだ瞳で見つめられながら呼ばれた時には何て返事すれば良いんだ?
俺はただハルヒの光り輝く黒曜石の様な瞳を見つめ返した。それしかできなかった。
ハルヒはすっとその綺麗な瞳を閉じた。あ、もうちょっと見ていたかったかな…。

そしてトン、と俺の胸板におでこをあててきた。そのまま頬を俺の胸にあてる。
俺はどんな顔していたんだ?ハルヒは今どんな顔しているんだ?



48 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 19:24:38.95 ID:ICLcajwP0



…くすっ」あれ?ハルヒ笑った?

「すごいドキドキしてるわね」いやもう色々と脳内物質が分泌されているからな。
ぱさっ

ハルヒがシーツを離した。けど俺の事は離さない。俺も腕をほどかない。
もはやお互い意識的に抱き合っている状態である。
ハルヒが俺を離した。そして俺の腕の中でくるりと180度回る。ハルヒが俺に背中をむけてもたれかかってくる。

思わずほどこうとした俺の腕にハルヒが手を添えた。そしてそっと自分の体に巻き付ける。
ハルヒのむき出しになった肌に俺の手から腕から全てが触れる。
暖かい、そしてなんて柔らかいんだ。改めて男と女の違いを思い知らされる。
何が何だか分からなくなる。もっとハルヒを感じたくて俺は自分の意志でハルヒを抱きしめた。



49 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21() 19:25:18.69 ID:ICLcajwP0



ぎゅっ

途端ハルヒが俺の腕をほどいてすたすたと歩き出す。
そしてくるっと振り返った。
「ほ、褒めなさい」両手をグーにして腰にあてて片足に体重をかけたポーズをとる。
「綺麗だな」意外にも思っている事がすんなり言えた。
「なっ!」ハルヒが両手で自分を抱きしめる。
「それにかわいい」感情が素直に言葉になった。
「っ!」今度は頬に両手をあてる。
そこまで言って俺の語彙は底をついた。言った内容に自分でも猛烈に照れる。ぐおぉ。
言われた方はもっと恥ずかしかったらしい。もじもじしていたがこちらに向かって走ってきた。



117 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/22(木) 04:43:17.21 ID:dR7RNs4F0



一瞬俺に飛び込んで来てくれるのかと期待したのだが違った。

まるでホームスチールするごとく頭から俺の後ろに落ちていたシーツの下に飛び込んだ。
が、シーツに隠れたのは上半身だけで下半身は未だにシーツに潜ろうとジタバタしている。
俺からしてみたらお尻がシーツから飛び出してふりふりしているわけだ。もう目のやり場に困るとはこの事だろうね。
いや、さっきから困ってはいるのだが。
仕方がない、シーツの端をつかんでふわりと綺麗なお尻にかけてやる。その時に俺も一緒にシーツの中に入った。
ごそごそと上にほふく前進。ハルヒの顔の横に到着。
白い光の中でお互い見つめ合う。沈黙の妖精が通り過ぎていく。
「ま、枕が欲しいわ」ふいにハルヒが言う。
シーツを丸めようか?



118 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/22(木) 04:43:57.54 ID:dR7RNs4F0



「やだ」
じゃ、我慢しろ。
「やだ」
どうしろと言うんだ?
ポンポン ハルヒが自分の頭があった場所を軽く叩く。
ビスケットが2つ?
「もぉ!団員なら団長の為に体を張りなさい!」
ハルヒの意図に気がついたがそれは恥ずかしいぞ。しかし気づかないふりも唐変木すぎる。かといって俺に選択肢がある様な状況ではない気がする。

どうにでもなれ、と左腕をハルヒの頭の下に入れてやる。
もぞもぞとハルヒが俺に近寄って来て体を密着させて頭を腕に乗せた。



119 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/22(木) 04:44:34.55 ID:dR7RNs4F0



髪がさらさらと流れ落ちる。俺は右手をハルヒの上に置いた。

一瞬ハルヒの体が硬直した。しかしゆっくりと力が抜けていく。安心した様な息をハルヒが静かにはいた。
ハルヒがちろっと俺を見上げた。がすぐに顔をうずめた。
顔のすぐ下にハルヒの頭がある。当たり前のように髪の中に鼻をうずめてしまった。
ハルヒの匂いだ。少し甘くてそして、なぜこんなに落ち着くんだろう。
目を閉じて肺一杯にハルヒを吸い込んでみる。あぁこのままでもいいな。ぼんやりそんな事を思った。
ハルヒの呼吸が寝息になってきた。俺もそれにつられるように眠気がおそってくる。
古泉の言っていた女の神人がなぜか頭をよぎる。黄色いリボンが揺れる。花柄の下着。美しい曲線。断片的なイメージが浮かんでは消える。

眠りにつく前にもう一度ハルヒを抱きしめたい。俺は両手でハルヒを抱きしめながら眠りに落ちていった。
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120 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/22(木) 04:45:04.92 ID:dR7RNs4F0



部屋が明るくなってきた。朝か…。ぼやけた意識で思う。

そして、もぞもぞと手を伸ばして柔らかくて暖かいハルヒを探す。ハルヒをさがす?!
がばっ!一気に意識が覚醒状態になる。
俺の部屋だ。
足元でシャミセンがぐぐーっと伸びをしてまた丸まった。
「おい、シャミセン、俺は昨日の夜ずっとここにいたか?」
耳をぴくぴくさせただけでもちろん返事はしなかった。
シャミセンの代わりに目覚まし時計がアラームを鳴らしだした。今日はすんなりベットから起きられそうだな。
しかしまだハルヒの重さと色々な感触が体に張り付いている。というか体が忘れられない。きっちり記憶している。
潤んで輝く瞳、健康的な背中、女らしい曲線、腕枕したときの重み、髪の匂い、抱きしめて感じた暖かさ、そしてやわらかさ。




涼宮ハルヒの誘惑 その2

posted by テリヤキ at 00:10| 京都 | Comment(3) | 2ch | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今、確認したところによるとVIPの方はもう落ちてるみたい


パー速でやってます。
難民がんがれ
Posted by テリヤキ at 2008年05月25日 22:37
22 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/21(水) 16:12:39.10 ID:ICLcajwP0

のカキコの一番下に余計な一行がありますよ。

これ↓
目の前にいる温水は慌ててシーツを使い体に巻き付けている。
Posted by at 2008年05月26日 17:17
ホンマやああああああああああああああああああああ


修正します。

指摘thks
Posted by テリヤキ at 2008年05月27日 00:10
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