2008年05月27日

涼宮ハルヒの誘惑 その3

涼宮ハルヒの誘惑 その1


涼宮ハルヒの誘惑 その2



14 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/24() 16:42:41.73 ID:o1n19yb90



しばらくするといつぞやどこかで見たような黒塗りのタクシーが公園の入り口に止まった。

古泉の促しでそろってタクシーに近づく。

降りてきた運転手は、白髪白髭で年齢不詳の名執事、新川さんだった。

俺たちににこやかに笑いかけながら新川さんはさまになる慇懃な一礼をした。

「皆様、お久しぶりでございます」

「新川さん、お手数かけます」

「なんのなんの、世界を救うとなればこの新川、骨身を惜しみませんぞ」

言いながらトランクをあけキャンプで使うようなテーブルセットとジェラルミンケースを運び出した。

てきぱきと公園の一角にテーブルといすを組立てる。

「ささ、皆様方、お席が用意できましたぞ」



15 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/24() 16:43:01.25 ID:o1n19yb90



孫娘を見る眼差しで朝比奈さんと長門に椅子を引いてあげる。朝比奈さんは恐縮しながら、長門は無表情に対応。

古泉と俺は自分で席に着いた。

ばさり、と新川さんがこの街の地図をテーブルの上に広げる。

「さて、長門さんの協力で普通の人達の目を心配する必要が無くなりました。我々が唯一気にしなければならないのは涼宮さんだけです。極端な事を言えば涼宮さんの真後ろで神人を狩っても見られなければいいんです」

古泉が赤ペンを取り出し長門に差し出す。

「長門さん、明日エネルギーが極大値を取ると予想される箇所に点を打ってみて下さい」

長門が赤ペンをうけとりテーブルの上の地図に印をつけ始める。

ちょん、ちょん、ちょん、ちょん、ちょん、ちょん、

おいおいおいおいおい殆ど全ての交差点じゃねぇかよ。

「大丈夫です。全ての箇所が常に極大値を取り続けるわけではありません。時間が経つにつれてその位置は変化してゆくはずです」そうですよね?と古泉が長門を見る。



17 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/24() 16:43:19.64 ID:o1n19yb90



長門がうなずく。

「さて、部室を出る前に涼宮さんは明日は自分がルートを決めると言いました。涼宮さんはどのようなルートを選ぶと思いますか?」

あの女の事だ、出鱈目に選んだとしてもピンポイントでその時に極大値を取る交差点を選び続けてくるんじゃないか。

「はい、僕もそう思います。それを踏まえて長門さん、明日涼宮さんが選ぶであろうルートを描いてみて下さい」

長門が駅前から線を引き始める。ぱっと見には全くのランダムに道を選んでいるように見える線だ。かなり複雑怪奇に曲がりくねっているな。

ペン先が駅前まで戻ってきて長門は赤ペンのキャップを閉め古泉に渡す。

「ありがとうございます」にこりと古泉が長門から赤ペンを受け取った。

「明日の組み分けですが、僕と長門さんの組、涼宮さんと朝比奈さんとあなたで組むようにしましょう」

なぜだ?

「僕たちは先回りして涼宮さんが角をまがる直前までに不思議を押さえ込みます。あなたと朝比奈さんは何とかして涼宮さんの足止めをして下さい」



18 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/24() 16:43:39.17 ID:o1n19yb90



朝比奈さんと顔を見合わせる。あいつを足止めって

「大丈夫になったら連絡を入れます」

角を曲がる毎に携帯なんて不自然すぎるぞ。

「これをお使い下さい」新川さんがそう言ってジェラルミンケースを開ける。

そして取り出したものはなんだ?

「小型の骨伝導マイクとスピーカーです」新川さんが俺の手の上に直径1cmにもならないような小さな丸いものを置いてくれた。

「このパッチで耳の後ろにお張り下さい」肌色の丸いシールだ。

シールの上にスピーカーを乗せ、耳の後ろに張り付ける。

「マイクは奥歯の内側に、歯にかけるようにしてご使用下さい」歯列矯正みたいな器具にさっきの黒い丸がついている。

んがががと口を開けてセット。



19 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/24() 16:44:11.55 ID:o1n19yb90



古泉がインカムをつけて席を離れる。

『どうです?聞こえますか?』

驚く程鮮明に聞こえる。しかし俺たちが独り言を言っていたらおかしくないか?

『無声音でしゃべって下さい。それでも音は拾えますから』

古泉が席に戻って来た。

タイミング良く新川さんが全員に紅茶を振る舞う。新川さんがこころなしかわくわくしているように見えるぞ。

俺の視線に新川さんが気がついて「胸、躍りますな」ウィンク。やっぱりわくわくしてた。

全員に紅茶が行き渡ったところで古泉が立ち上がる。

「未来人発案の宇宙人と地球人の共同作戦です。世界の為に頑張りましょう。乾杯!」

「乾杯!」



20 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/24() 16:44:40.55 ID:o1n19yb90



………だれも紅茶に口をつけない。

俺の紅茶はぐつぐつと煮えたぎっている。

朝比奈さんは「きゃっ!きゃっ!」紅茶が跳ねてます。

長門はひょいと中を俺に見せてくれる。はい、凍ってますね。

新川さんは「ほっほっほっ」楽しそうですね「回ってますな」そうですか。

もうこうなると気持ち悪いとかじゃなくて好奇心の方が勝る。

古泉のはどうなっているんだ?

くるっとカップをひっくり返す。

でろ〜ん

うわっ、お前の気持ちわる!

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131 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/25() 02:57:07.04 ID:8xHBgJ460



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「朝比奈様もお使いください」そう言って新川さんは俺と同じ骨伝導マイクとスピーカーを朝比奈さんに手渡した。

「え?あ、はい」ちょっと驚きながら朝比奈さんが受け取る。

「長門様もお使いになられますか?」「いい」「かしこまりました」

「それと」新川さんは俺に近づいて封筒をくれた。

なんですか?これ?

「経費でございます」にこり。

え?見て良いですか?「もちろんです」

うわっ、一万円札が10枚くらい入ってる。

「全額使い切っていただいても一向に構いませんので、ご遠慮なさらないように」え、いや、それは、その、どうも。

「朝比奈様、ご所望の品などございましたら明日おねだりしてみてはいかがですかな?」



132 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/25() 02:57:24.29 ID:8xHBgJ460



「え?いいんですか?気になる茶葉があるんですけど手が出なくて

朝比奈さん、明日世界が終わりそうなんですが

「長門様も是非」

長門がきょとんとした顔でこちらを見て首をかたむける「いいの?」

世界が終わってなけりゃいいよ。

「さて、それでは私はこれで失礼します。明日晴れるとよろしいですな」

そうですねー。

全員でテーブルセットを片付けてタクシーのトランクにのせる。「やや、これはこれは恐縮です」

新川さんがバタンとドアを閉めて窓を開ける。「皆様のご健闘とご活躍をお祈りしておりますぞ、では」

軽いエンジン音を響かせ新川さんのタクシーは走り去った。



133 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/25() 02:57:46.36 ID:8xHBgJ460







俺は古泉に向き直った。「今更なんだが、古泉」

「何でしょう?」さっきの質問に答えてくれ。

「なぜ秘密にしておきたい場所に全員で入れたか、ですか?」そうだ。

「ここで話しても構いませんか?」

ん?周りを見渡す。俺と古泉と朝比奈さんと長門しかいない。

「構わないぞ」

古泉はどこから説明しようかという風に人差し指を眉間に当てた。そして手を元に戻しながら話し始めた。



135 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/25() 02:59:29.31 ID:8xHBgJ460



「校舎を出たとき神人の腕に襲われました。あれは正確に言うと溢れたエネルギーが閉鎖空間のように振舞ったからなんです。
つまり現れた神人の腕も涼宮さんのストレスではなく、エネルギーが真似をしていたんです。
その振舞いのおかげで僕もあの場で能力を使うことができました」

なるほどな。じゃ明日お前が街で能力を発揮できるのはエネルギーが閉鎖空間の真似をしている場所のみということか。

「そうなります。それ以外の振る舞いをしている箇所は主に長門さんたちに対応してもらうつもりです」

で、なぜ移動した?

「あの丸い部屋は涼宮さんが許可しないと入れません。そして出るときもそうです。なのに我々は一瞬とは言え入り出てきました」

そうだな。

「つまりあの一瞬、涼宮さんは勘違いしたのだと思われます」何を勘違いしたんだ?

「自分のいる場所が丸い部屋だと勘違いしたんです」さっぱりわからん、なぜ勘違いしたんだ?



136 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/25() 02:59:49.09 ID:8xHBgJ460



「想像するに」古泉はいったん区切って朝比奈さんと長門を見た。?何を気にしてやがる?

「丸い部屋で起こった出来事と酷似する出来事があの時起こったからです」

!!!!

あの時ハルヒが丸い部屋と同じポーズを取ったのをみて俺は丸い部屋を思い出した。

俺の丸い部屋の記憶をエネルギーが真似をして俺が取った行動を模倣したんだ。

ハルヒはまるで俺に抱きしめられたかの様に錯覚し

「いや、古泉さすがだ。全くだ。なるほどな。よし、明日に備えて帰るか!」

「キョン君、裸で抱きしめたんですか?」ぐおおぉおぉおおぉおおおお!!!!!

「ちゃんとパンツは履いてました!!」





137 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/25() 03:00:05.50 ID:8xHBgJ460



のぉおおぉおおおおぉおおおおおぉぉおぉおお!!!!!!

ドツボにはまる、墓穴を掘る、やぶへび、自業自得、因果応報、えとせとらー!!!!

古泉が苦笑している。そりゃするわな。

俺の壊れっぷりに同情したのか朝比奈さんが慌てて話してくれる。

「でもでも、あの、あの時の、あの、キョン君に抱きしめられたときの涼宮さん」

はい?

「すごく綺麗でした。同性の私でもうっとりするくらいに」にっこり

何だかありがとうございます。もう明日になる前に疲労困憊です。

その後すぐに解散し、俺はかなりのダメージを抱えながら家に帰った。

玄関に置手紙。

『今日の夕方から田舎に行ってきます。
 明日の夕方には帰ります。
 シャミの世話と火の元と戸締りよろしくね』

ながとぉ夕飯くらい作らせてから出発させてくれ。

新川さん、すみません。前日から経費使わせてもらいます。



19 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/25() 21:55:35.16 ID:qn.YkYso



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『おはようございます。お目覚めですか』

「うわわわわ!」驚いてベットから飛び起きる。

古泉のくすくす笑いが耳に響く。

昨日コンビニ弁当を食べるのに気になったので口の中のマイクは外したのだが耳のスピーカーを外し忘れていた。

男の声でモーニングコールされるとこんなにショックだとは知らなかったな。

ショックを引きずりながら机の上に置いたマイクを口内にセットする。

『ご機嫌はいかがですか?』不愉快だ。

『そういうと思ってましたよ。では後ほど駅前で』

今日さぼっていいか?

『ダメです』だよなー。



20 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/25() 21:55:59.05 ID:qn.YkYso



乗る時にいつも空気を入れようと思うママチャリに乗って駅前までこぎだす。

一見いつもと変わらない街並みだがこれ目に付く人たちって全員、宇宙人か超能力者なんだよな

車も普通に走ってるし、買い物してる人もいるし、家族連れもいれば、学生だっている。

うーむ、今この街にいる普通の人間が俺だけと考えると

かえって自分が特別な存在に感じるのは気のせいじゃないよな?

駐輪場に自転車を置き集合場所に向かう。

「お気をつけて」駐輪場のおじさんに挨拶される。

うわっ!新川さん!違和感無かったですよ。

「職業訓練の賜物でございます」機関って駐輪場のおじさんの訓練もするのか?

新川さんに会釈して歩き出す。



21 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/25() 21:56:18.99 ID:qn.YkYso



いつもと変わらない様に見える駅前の雑踏の中、いつものごとく既に全員そろっている。

「おっそーい!!!!」宇宙で一番不思議なヤツが怒鳴っている。時計を見ると10分前。

「今日こそ不思議なことが見つかるっていうのにあんたはたるんでるわ!」ハルヒが眉毛を吊り上げながら怒る。

見渡せば超能力者と宇宙人がそこらじゅうに溢れているぞ、普通の人間の俺がこの街では不思議な存在だ。

俺なんでここにいるんだろうね?普通の人間がここにいること自体普通じゃないよな。えーっと普通ってなんだっけ?

「さっ!まずは作戦会議よ!」

意気揚々といつもの喫茶店に入りテーブルに着くとハルヒはこの街の地図を2枚取り出した。

「これが今日移動するルートよ!」自信満々にテーブルに広げる。

やっぱり、と思って良いよな?昨日長門が描いたルートと一緒だと分かる複雑な線が地図に描き込まれていた。

「このルートを一組はこっちからスタートして駅前に戻ってくる。もう一組はそれとは逆のルートをたどるの」



22 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/25() 21:56:38.00 ID:qn.YkYso



もう一組は先行するんだがな。

「不思議だってまさか挟み撃ちされるとは思ってないわ!そこをすかさずふん捕まえるのよ!」

部室での現象を思い出してみるに、捕まえられる不思議って大したことない気がするな。

「ルートの中間地点がこの交差点のはずよ。そこでいったん現状を報告しあいましょう」

ちゅごごごごごごご・・・・!!

店内に響き渡るほどの勢いでハルヒは運ばれてきたアイスコーヒーを飲み干した。

他の部員がまだ飲み終わってないと見るとさらにグラスを傾けて残った氷を噛み砕いた。

ごりごりばりばり!

何となく噛み砕いている音が、早くしなさいよ!と聞こえたので俺もコーラをすぐに飲み干した。

「さっ!引いて!」



23 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/25() 21:56:59.49 ID:qn.YkYso



ハルヒが爪楊枝を五本握り締めて突き出してきた。

結果がわかっているから興味が持てなくて皆が引くのを目の端で見ながら宇宙人と超能力者の街並みを眺めてみる。

窓際を色々な人が通り過ぎる。OL風の女性がにこやかに俺に手を振りながら通り過ぎた。

も、も、も、森さん!

「この組み合わせね!しゅっぱーつ!」

高らかに宣言してハルヒが伝票を俺に押し付けた。

------------------------------------------------------------------

さぁ、いよいよだ。

第何回かは数えてないから知らないがSOS団の市内不思議探索パトロール。

みんなで不思議を見つけないようにしよー。おー。



24 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/25() 21:57:23.09 ID:qn.YkYso



俺このモチベーションで大丈夫か?

長門と古泉はハルヒから地図を受け取り俺たちとは逆周りのルートをたどり始める、ふりをするために歩き出した。

「みくるちゃん、あなたは目が大きいんだから目を皿のようにしておけば必ず不思議なものは目に飛び込んでくるわ」

「は、はい」朝比奈さんは一生懸命に目を見開いた。この人に冗談って通じるのかな?

ハルヒは朝比奈さんと腕を組んではしゃぎながら歩き始めた。

ハルヒの後姿を眺めて丸い部屋でその背中を抱きしめたのを思いだそうとして止めた。俺がやったことを客観的に見せられるのはもうごめんだ。

最初の交差点だ、比較的車の通りが多く歩行者信号は今赤になっている。

『その交差点にエネルギーが集まり始めています。なるべく早く通り過ぎてください』古泉の声が聞こえた。

いや、早くったってお前。ハルヒは朝比奈さんとしゃべりながら車道のぎりぎりに立っている。



38 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/26() 02:56:36.38 ID:fGWztV.o



俺はハルヒと朝比奈さんの少し後ろに立ち、道路の向こうにある歩行者信号を見た。早く変われ!

にゅるん白い影が俺の目の前に立ち上がる。うぉ!

厚みが無く紙が立ち上がったようだ。形が歩行者信号の青の中に描かれている人物だ!

歩き出した!(こ、こ、古泉!)『落ち着いてください』

パーン!!!破裂音一閃!!!

俺の後ろにいつの間にかいたOL風の森さんが鞭で青信号の人物を真っ二つに引き裂いた。

俺に微笑しながらくるりと後ろを向いてすたすたと歩き出す。

「何今の音!?」「びっくりしましたぁ〜」

二人が驚いて振り返る。俺も仕方なく「な、何の音だろうなぁ?」後ろを向いた。

なんと車がパンクして運転手が困っていた。



39 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/26() 02:57:04.42 ID:fGWztV.o



すげー、コンビネーション。

「パ、パンクの音だったらしいな。おい、青だぞ」

俺は二人の背中を押すようにして横断歩道を渡り始めた。

(おい古泉、次の交差点は大丈夫だろうな)

『少し時間稼ぎしてください。今対処中です』

朝比奈さんも、どうしましょうと俺を見る。何か無いか?

周囲を見渡してハルヒが食いつきそうなものを必死で探す。

「あんた何きょろきょろしてんの?」「お前の食いつきじゃなくて、不思議を探して見回してたんだ」

「へぇ〜あんたもようやく団員の自覚が出てきたじゃない。結構結構!さぁ!どんどん行くわよ!」

そういうとハルヒは朝比奈さんを引きずるように大またで歩き出した。



40 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/26() 02:57:20.92 ID:fGWztV.o



『時間稼ぎをお願いしたんですが』(わかってる!)

「は、ハルヒ!クレープ食べないか!朝比奈さんは食べたいですよね?ね?ほら!俺は食べたいぞ!ほらこのビルの1階にクレープ屋が入ってる!ラッキー!食ってみようぜ!」

「何よ今ほめたらもう不思議探さないの?だからいつまでも平団員なのよ!言っとくけどね食べたいって言い出したのはあんたなんだから、あんたが奢りなさいよ!」

『お見事です』文句と賞賛を同時に聞く機会なんてもうないだろうな。

ハルヒはバナナもチョコもイチゴもナッツもソースもトッピングできるものをすべてのっけた。だれかこいつに遠慮って言葉を教えてやってくれ。

朝比奈さんはストロベリー。はむっと食べる姿が小動物を連想させる。幸せそうに食べますね〜。奢ったかいがあったというものです。

俺は朝飯のかわりだと思い、ツナとソーセージとサラダが巻いてある甘くないやつにした。

『もう大丈夫です』店の前に出してあったベンチに座わり食べ終わるころに古泉が話しかけてきた。

「さぁいきましょう!」クレープでご機嫌になったハルヒが更なるパワーアップをして立ち上がった。

古泉たちの活躍でようやく安心して交差点にくることができた。俺はハルヒに渡された地図を見る。次はここを右か



41 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/26() 02:57:39.12 ID:fGWztV.o



「ここを左に行きましょう」

「ん?お前が描いてきた地図には右にルートが描いてあるぞ」

「何言ってんのよ。臨機応変よ。不思議がいつまでも同じところにいるわけないわ。不意をつくの不意を。そうしたら向こうだってあわくって尻尾出すわ!」

そう言ってハルヒは朝比奈さんを引き連れて左に曲がっていった。

(おい!古泉!ルートを外れたぞ!)

『さすがは涼宮さんですね。クレープ屋で当初の時間とずれたためルート上の交差点ではエネルギーは極大値をとりません』

(じゃ、左にいくと

『しばらくの間エネルギーが極大値を取り続ける交差点があります。すごいですね涼宮さんは』

(感心してる場合か!何とかしろ!)

『もちろん努力はしますが、間に合わなかった場合は最後の手段を使ってください』

(なんだ?)

『トークでごまかしてください』

(できるかボケー!!!!!!)



51 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/26() 20:30:29.64 ID:VeHcMp.o



『とにかく対処する交差点を一から組立て直しですので次の交差点はあなたと朝比奈さんで何とか切り抜けて下さい。可能な限りサポートはしますから』

超能力者と宇宙人の連合軍すらひっかきまわす女、涼宮ハルヒ、恐るべし!

そいつを無力な未来人と無能な一般人の二人で何とかしろとおっしゃいますか?

朝比奈さんは冷や汗をかきながら俺をちらちら見てくる。

今入って来た路地は商業ビルの裏通りみたいな道なので両脇に店なんて皆無だ。

どうする?どうする?どうするーー?!!!

「ハルヒー!!!」

俺は後ろから朝比奈さんもろとも抱きついた。

「きゃー!」「きゃー!!」はぁーもにぃー。

「こんのぉおお!!!場所をわきまえなさーい!!!」



52 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/26() 20:30:46.87 ID:VeHcMp.o



振り向きざまの渾身の右ストレート!!

ぐはぁ!

「もぅ!バカキョン!!みくるちゃん、こんなアホ放っといて行きましょ!!」

ぐるぐる回る空に古泉の声がこだまする。『努力は認めます』

「ま、待てハルヒ」『結果は出ませんでしたが』

そして俺は息絶えたがくり。

おしまい。

ってわけにいくかー!!!

急いで立ち上がり二人を追いかける。

走ったが既に二人は交差点の光景に目を奪われている所だった。横に並んだ俺もその光景には驚いた。



53 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/26() 20:31:07.23 ID:VeHcMp.o



大名行列が行軍してる。

しかも鎧や装飾等かなり凝ってある。まるで本物の鉄やらなめし革で作られているようだ。武具とか本物じゃないのかこれ?

うわうわうわうわ!!!よく見たら武具を着込んで歩いているの人間じゃないぞ!

猿やらウサギやら亀やら狐に狸、まるで鳥獣戯画の大名行列だ。

こ、これをごまかせというのか!

しかも大名行列の後には阿波踊りの一軍がえらいやっちゃとついて来ている。

さらにその後にはリオのカーニバルがサンバでマンボして近づいてくる。

だが奇妙な事に阿波踊りもサンバ隊も全員色とりどりの仮面をつけている事だ。

「これ何のイベントかしら?キョンあんた知ってる?」

「い、いや、俺もこんなイベントがあるなんて知らなかった」何かあるとは知ってたけどな。



54 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/26() 20:31:54.05 ID:VeHcMp.o



「事前に知っていればこれに参加しても良かったかもね。うーん、古泉君とか知らなかったのかしら」

(おい、古泉お前に矛先が向きそうだぞ)『フォローをお願いする次第です』

「どれに参加するんだ?大名行列か、阿波踊りか、サンバか?」

ハルヒが俺にくるっと向き直り、腰に手をあて下から睨みつける。

「なあにあんた?あたしとみくるちゃんと有希のサンバ姿がみたいの?」

「なぜそうなる、そうは言ってない」「見たくないんだ」「みたいです」

ハルヒが胸をそらせ勝ち誇った「ふっふーん」なぜに?

その時サンバ隊の一人が仮面をひょいと持ち上げて俺に笑いかけてまた仮面を戻した。

も、も、も、森さん! めっちゃノリノリですね。







涼宮ハルヒの誘惑 その4 に続く
posted by テリヤキ at 00:15| 京都 ☔| Comment(7) | 2ch | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
良い
Posted by at 2008年05月25日 02:18
うはwwwwwwwwwずっとこのスレに張り付いてるんだぜwwwwwwwww


本スレでこのブログのURL張った人がいたけど、このブログも見てるひとがいるんだーって思ったんだぜ

がんばって張り付きます
Posted by テリヤキ@管理人 at 2008年05月25日 08:23
更新よろー
Posted by at 2008年05月25日 12:01
うはwwwwwwwおkwwwwwwwwwwww
Posted by テリヤキ@管理人 at 2008年05月25日 12:13
182 名前: ◆KMIdNZG7Hs [sage] 投稿日: 2008/05/25(日) 13:12:23.72 ID:8xHBgJ460
>>137
誤 「すごく綺麗でした。同姓の私でもうっとりするくらいに…」にっこり

正 「すごく綺麗でした。同性の私でもうっとりするくらいに…」にっこり

すごく恥ずかしい。

古泉が自分のこと「私」って呼んでる台詞もある…orz





直しといたおwwwwwwwwwwwwww
Posted by テリヤキ@管理人 at 2008年05月25日 14:48
今、確認したところによるとVIPの方はもう落ちてるみたい


パー速でやってます。
難民がんがれ
Posted by at 2008年05月25日 22:37
58 名前: ◆KMIdNZG7Hs 投稿日: 2008/05/26(月) 23:10:36.06 ID:fGWztV.o

お気づきでしょうが…

誤 はるひが胸をそらせ勝ち誇った「ふっふーん」なぜに?

正 ハルヒが胸をそらせ勝ち誇った「ふっふーん」なぜに?

でよろ。
Posted by 管理人 at 2008年05月26日 23:40
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